木材会館・首都圏外郭放水路視察
- 2013年11月21日
- 講習会・セミナー
平成25年11月11日、東京商工会議所主催の木材会館・首都圏外郭放水路視察に参加しました。
新木場駅近くの木材会館は、東京木材問屋協同組合100周年記念事業として建設され、平成21年7月に竣工しました。万一の火災時にも安全性を損なわないよう構造躯体は鉄骨鉄筋コンクリートを採用しつつ、外壁には木材がふんだんに使用された大変珍しい建物で、無機質な外観になりがちなビルディングでありながら温かみの感じられるデザインに目を奪われました。
内装も一般的なビルとは全く異なったもので、檜、杉をはじめかえで、くるみ、山さくら等、9種類もの木材が使用されています。とはいえただ木材を全面的に使用するのではなく、ログハウス然としたものになってしまわぬよう他の素材とのバランスを考慮したとのことです。
ある規模以上の建物では内装に不燃材を使用することが定められていますが、火災時に避難できる安全性が確保されれば規制が緩和されます。木材会館では天井を高く設計し、火災時の煙を部屋の上部にためることで避難する時間を稼ぐことにより安全性が確保されていました。また、各フロアの縁側的なデッキテラスが開放感を演出するとともに、緊急時にも有効な外階段が設けられていて、デザイン性と機能性がしっかりと両立されています。
わたくしも建設業許可申請業務の中で工事内容に触れることがあるのですが、木材は建設資材として当然ながら欠かせないものです。鉄骨鉄筋コンクリート建築と木材建築の高い次元での融合がなされた木材会館は、古くからの「木」という素材の持つ新たな可能性を感じさせてくれました。
つづいて、首都圏外郭放水路を訪問しました。首都圏外郭放水路は、中川、倉松川、大落古利根川等からの洪水を地下に取り込み、地下50m、総延長6.3kmのトンネルを通して江戸川に流す、世界最大級の地下放水路です。
訪問先の庄和排水機場はトンネルの終着点であり、流れてきた水をいったん貯めておく調圧水槽と、江戸川への排水を行うための大型ポンプ設備を有する首都圏外郭放水路の心臓部といえる施設です。とりわけ調圧水槽はその広大さと特異な造形から「地下神殿」とも呼ばれ、映画・ドラマの撮影等でも使用されたりと本来の使用目的以外でも注目されています。
排水機場の建物内でひととおりの説明を受けた後、隣接する芝生のサッカーグラウンド(フルコート)に案内されました。その直下が丸ごと「調圧水槽(地下神殿)」になっているということで、その広大さがわかっていただけるかと思います。
グラウンドの端に小さく突き出た建物へ入り、地下まで116段の狭い階段を降りると、長さ111m、幅78m、高さ18mの巨大空間が一気に広がります。その薄暗い中に長さ7m、幅2m、高さ18m、重さ500tの柱が59本林立している様は、正に地下神殿を思わせる荘厳なものでした。この柱は天井を支えること以外に、周囲の地下水により生じる浮力で空間全体が浮き上がってしまわないための重しとしての役目も担っているそうです。
以上のように、今回の視察では旧くからある木材というものの良さを建物そのもので表現した木材会館と、現代土木技術の粋を集めたコンクリート性の大規模施設、首都圏外郭放水路という対照的な二つを一日で体験できました。われわれ建設業許可申請に携わる者としても、それぞれの工事は建設業許可の業種として土木一式工事に当たるのか、建築一式工事に当たるのか等考えてみる機会となり、大変興味深いものでした。
役目は違えど両者に共通するのは、最高の技術を有する建設業者様の手により完成された、単なる施設というレベルを超えた「作品」であるということ。そんな建設業者様のお仕事を許可申請手続き等の代行という形でサポートさせていただくべく、行政書士後藤政雄事務所は所員一同、さらに邁進してまいります。建設業許可について何かお困りのこと等ございましたら、是非一度お気軽にご相談ください。
筆:林
参加者:佐藤・髙橋・林
☆建設業許可専門HPはこちら:http://gto555.com/
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